2009年05月14日
さつまいもの歴史と文化(北原兼文准教授)
5月9日(土)北原兼文先生の「さつまいもの歴史と文化」講義がありました。
さつまいもは、学名Ipomoea batatasといい、ヒルガオ科サツマイモ属。
和名 サツマイモ・カンショ
英名 sweet potato , sweetpotato
アサガオの仲間だそうです。
また、さつまいもの祖先種は、イポメアトリフィーダ(Ipomoea trifida)
長い年月をかけた偶然の突然変異で、トリフィーダからさつまいもへと進化。
紀元前1万年~8千年にペルー海岸チルカ谷遺跡で炭化したさつまいもの根が見つかったことと、紀元前1千300年~1千年にペルー遺跡から乾燥した根・葉・花・根を描いた綿布・モチーフにした土器が発掘されたことから、メキシコ・ペルーが原産地であるといわれています。
その世界伝播のルートは3つ考えられているそうです。
◇クマラルート
紀元前1千年頃、南米から南太平洋の島々へ渡った。
◇バタタスルート
コロンブスがヨーロッパの持ち帰り、ポルトガル人がアジアに持ち込んだ。
◇カモテルルート
16世紀以降、スペイン人がメキシコからフィリピンに持ち込んだ。
これらのルートから、フィリピンに集まり、中国などを経て、琉球から薩摩へやってきた歴史があります。
さつまいもの歴史については、1600年代に種子島に伝わり、安納芋など存在することや、1705年前田利衛門がさつまいもを琉球から薩摩へ持ち帰り、広めた。また、それを青木昆陽が、江戸に取り寄せて広めた。。。といことぐらいしか、知識がありませんでしたが、それ以前にペルーや古代アンデス文明で食べられていたかもしれないということは、興味深いものがあります。
さつまいもというと、国内自給率の低い日本では、食料の輸入がストップしてしまうなどの不測の事態の深刻度に備えて、食糧確保の対策として『不測時の食料安全保障マニュアル』が準備されています。レベル0~レベル2でその深刻度の程度に応じて、考えられています。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pamphlet_2.html
(農水省:いざという時のために~不測時の食料安全保障について~)
その中では、いざという時のための不測時メニューの一例として、朝食・昼食・夕食にジャガイモやさつまいものイモ類が必ず盛り込まれた内容が取り上げられています。
「さつまいも」は、これまでの歴史の中で、飢饉などで人々を救っただけでなく、薩摩には焼酎という産物をもたらしました。これからの地球環境レベルで未来を考えると、ますます貴重な存在の作物であるといえると思います。非常事態になると、都市部のあちこちで、様々なスペースがさつまいも畑に変化するのかもしれません。
効率の良いエネルギー生産ということ、低肥料、低農薬栽培であったり、シラス土壌や痩せ地にも強いことから、環境保護作物として注目されています。
サツマイモの食品一次機能は・・・
ご飯と野菜の食品栄養素を合わせ持つ作物。
カルシウム・マグネシウム・ビタミン・ミネラルが豊富で栄養バランス良好。
二次機能は・・・
じっくり加熱すると糖化酵素が働いて、甘くておいしくなる。
三次機能は・・・
ポリフェノールやアントシアニンが豊富で、葉っぱにはHIV抑制効果がある成分が多く含まれていることがわかる。
様々な機能や作用をもち合わせているさつまいもですが、腐れやすいことや低温に弱い。。。タンパク質が少なく、ストレスで苦味成分を作るなどの面もあります。
新しく「クイックスイート」や「九州159号」などの品種も改良されているそうです。
個人的には、種子島の安納芋をストープでゆっくりと焼いて、バターで食べるのが大好きです。
さつまいもの今後に、かなり期待が持てます。
【講義の参考図書】
*小林 仁「サツマイモのきた道」古今書院1986年
*山田 尚二「さつまいも 伝来と文化」(かごしま文庫19)春苑堂出版1994年
*坂井 健吉「さつまいも」(ものと仁玄の文化史90)法政大学出版局1999年
*中馬 克己「日本甘藷栽培史」高城書房2002年
*塩谷 格「サツマイモの遍歴 野生種から近代品種まで」政大学出版局2006年
*「甘藷百珍」大阪の珍古楼主人 著(江戸時代のさつまいも料理集)
☆ともとも感謝☆
さつまいもは、学名Ipomoea batatasといい、ヒルガオ科サツマイモ属。
和名 サツマイモ・カンショ
英名 sweet potato , sweetpotato
アサガオの仲間だそうです。
また、さつまいもの祖先種は、イポメアトリフィーダ(Ipomoea trifida)
長い年月をかけた偶然の突然変異で、トリフィーダからさつまいもへと進化。
紀元前1万年~8千年にペルー海岸チルカ谷遺跡で炭化したさつまいもの根が見つかったことと、紀元前1千300年~1千年にペルー遺跡から乾燥した根・葉・花・根を描いた綿布・モチーフにした土器が発掘されたことから、メキシコ・ペルーが原産地であるといわれています。
その世界伝播のルートは3つ考えられているそうです。
◇クマラルート
紀元前1千年頃、南米から南太平洋の島々へ渡った。
◇バタタスルート
コロンブスがヨーロッパの持ち帰り、ポルトガル人がアジアに持ち込んだ。
◇カモテルルート
16世紀以降、スペイン人がメキシコからフィリピンに持ち込んだ。
これらのルートから、フィリピンに集まり、中国などを経て、琉球から薩摩へやってきた歴史があります。
さつまいもの歴史については、1600年代に種子島に伝わり、安納芋など存在することや、1705年前田利衛門がさつまいもを琉球から薩摩へ持ち帰り、広めた。また、それを青木昆陽が、江戸に取り寄せて広めた。。。といことぐらいしか、知識がありませんでしたが、それ以前にペルーや古代アンデス文明で食べられていたかもしれないということは、興味深いものがあります。
さつまいもというと、国内自給率の低い日本では、食料の輸入がストップしてしまうなどの不測の事態の深刻度に備えて、食糧確保の対策として『不測時の食料安全保障マニュアル』が準備されています。レベル0~レベル2でその深刻度の程度に応じて、考えられています。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pamphlet_2.html
(農水省:いざという時のために~不測時の食料安全保障について~)
その中では、いざという時のための不測時メニューの一例として、朝食・昼食・夕食にジャガイモやさつまいものイモ類が必ず盛り込まれた内容が取り上げられています。
「さつまいも」は、これまでの歴史の中で、飢饉などで人々を救っただけでなく、薩摩には焼酎という産物をもたらしました。これからの地球環境レベルで未来を考えると、ますます貴重な存在の作物であるといえると思います。非常事態になると、都市部のあちこちで、様々なスペースがさつまいも畑に変化するのかもしれません。
効率の良いエネルギー生産ということ、低肥料、低農薬栽培であったり、シラス土壌や痩せ地にも強いことから、環境保護作物として注目されています。
サツマイモの食品一次機能は・・・
ご飯と野菜の食品栄養素を合わせ持つ作物。
カルシウム・マグネシウム・ビタミン・ミネラルが豊富で栄養バランス良好。
二次機能は・・・
じっくり加熱すると糖化酵素が働いて、甘くておいしくなる。
三次機能は・・・
ポリフェノールやアントシアニンが豊富で、葉っぱにはHIV抑制効果がある成分が多く含まれていることがわかる。
様々な機能や作用をもち合わせているさつまいもですが、腐れやすいことや低温に弱い。。。タンパク質が少なく、ストレスで苦味成分を作るなどの面もあります。
新しく「クイックスイート」や「九州159号」などの品種も改良されているそうです。
個人的には、種子島の安納芋をストープでゆっくりと焼いて、バターで食べるのが大好きです。
さつまいもの今後に、かなり期待が持てます。
【講義の参考図書】
*小林 仁「サツマイモのきた道」古今書院1986年
*山田 尚二「さつまいも 伝来と文化」(かごしま文庫19)春苑堂出版1994年
*坂井 健吉「さつまいも」(ものと仁玄の文化史90)法政大学出版局1999年
*中馬 克己「日本甘藷栽培史」高城書房2002年
*塩谷 格「サツマイモの遍歴 野生種から近代品種まで」政大学出版局2006年
*「甘藷百珍」大阪の珍古楼主人 著(江戸時代のさつまいも料理集)
☆ともとも感謝☆
Posted by かごしまルネッサンスアカデミー 健康・環境・文化コース at 16:19│Comments(0)